ジェンダー医療研究会:JEGMA

ジェンダー医療研究会は、 ジェンダー肯定医療に関して、エビデンスに基づいた情報を発信します。

ジェンダー医療研究会

当会は海外医療論文の翻訳を行うことで、
ジェンダー違和(性別違和:gender dysphoria) を持つ
主に未成年者に対する、
安全で、思いやりがあり、倫理的で、
エビデンスに基づいた医療の推進を目指しています。

ジェンダー医療/トランスジェンダー医療

🔺警戒、そして、より良い研究の必要性。

医学の歴史には、善意によって短期的な症状の緩和を追求した結果、長期的に見れば破滅的な結果を招いてしまった例が数多くあります。例えば、過去のサリドマイドの使用やロボトミー手術、最近で言えばオピオイドの蔓延などです。
「ジェンダー肯定」モデルは、若者達を生涯にわたる医学的治療に委ねる一方で、その症状の病因や、ジェンダー違和(GD)の原因となる心理社会的要因には最小限の注意しか払いません。このモデルは、心理療法がジェンダー違和の緩和や解消に役立つかという疑問を退け、十分な検証もせずに医学的介入を行っています。
私たちは臨床医と研究者に対し、若者を対象としたこのような規制なき実験を中止し、ジェンダー違和の病因や様々な介入の利益と害について実用的なエビデンスを提供する、支持的な研究の枠組みに置き換えるよう求めています。SEGMより抜粋)

segm.org

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キャス博士の報告書:国際ガイドラインのレビューとジェンダークリニックの調査/定量的研究/データリンケージ(結合)研究/定性研究 - p.58~

国際ガイドラインのレビューとジェンダークリニックの調査

1.26 ジェンダーに疑問を持つ子どもや若者のケアに対する適切なアプローチについて合意を得ることは、イギリスでも国際的にも困難です。重要な出発点は、国際ガイドラインの評価と統合を得て、その実践がイギリスに転用可能かどうかを検討することでした。

1.27 医療サービス提供のすべての側面が現地のガイドラインに文書化されているわけではなく、ガイドラインの作成以降にアプローチを変更した国もあることを認識し、英国と EU 15 か国以上の児童と青少年を対象としたジェンダークリニックの調査を実施しました。この調査の目的は、同様の医療サービスを持つ国々のグループで提供されるサービスの範囲、および実践の一貫性と相違を特定することでした。

1.28 ガイドラインのレビューと国際調査の結果は、このレポート全体で詳しく説明されています。

定量的研究

1.29 Clinical Practice Research Datalink (CPRD: 臨床診療研究データリンク) は、臨床研究をサポートするために、イギリス全土の GP(家庭医)診療所のネットワークから匿名化された患者データを収集します。30 年以上にわたり、CPRD データとサービスを使用した研究は、臨床ガイダンスとベストプラクティス(最良の実践)に情報を提供してきました。

1.30 レビューによって委託された「ジェンダー違和のある児童と若者の疫学とアウトカム」研究では、CPRD からのリンクされた一次データと二次データを利用しました。

1.31 全体的な目的は、電子プライマリケア(一次医療)記録を使用して、2009 年から 2021 年までのイングランドの18 歳以下の人々のジェンダー違和の疫学を説明することでした。

説明ボックス 3:

定性的研究と定量的研究

  • 定量的研究は数値または測定可能なデータを生成するのに対し、定性的研究は主観的な経験、感情、考えに関する情報を生成します。どちらのタイプの研究も、サービスの提供、治療の選択肢、患者中心のケアに関する検討に独自の貢献をします。
  •  定性的研究の実施方法は定量的研究の方法と同様に堅牢であり、質問を特定し、データを収集、分析、解釈することも含まれますが、データは数値ではなくインタビューベースになります。

データリンケージ(結合)研究

1.32 ジェンダーアイデンティティ発達サービス (GIDS) を利用した児童や若者が受けた支援や介入、およびそのアウトカム(転帰)についてはほとんど知られていない。

1.33 NHS が保有するデータを使用したデータリンケージ(結合)研究は、NHS が保有する既存のデータを使用して、彼らの治療とケアに関するエビデンスのレベルと質を向上させるために委託された。GIDS、病棟、外来診療所、救急科、成人のジェンダー違和クリニック (GDC) のデータを使用して、システムを通じて GIDS に紹介されたすべての児童と若者 (約 9,000 人) の経過を追跡し、人々がたどるさまざまな経路とアウトカム(転帰)に関する人口レベルのエビデンス基盤を提供する。

1.34 研究プロトコル(手順)に記載されている目的は次のとおりです。

 i. この児童集団の臨床的および人口統計学的特徴と、GIDS サービスにおけるその臨床管理について説明すること。

ii.  国の医療データを活用して、この児童集団の中間結果を評価すること。

1.35 この研究を進める上で課題があり、この報告書に情報を提供するための調査結果は入手できません。

詳細は第 15 章と付録 4 に記載されています。

1.36 このレビューでは、ジェンダー違和を抱える若者のあらゆる経験と転帰を理解することを目的とした参加型の定性研究プロジェクトを委託しました。この研究では、定性研究に適した、国際的に承認された堅牢な方法が使用されました。

1.37 この研究は、児童、若者、若年成人のジェンダー関連の違和/苦痛の経験、これまでの経緯、将来的にサービスがどのように提供できるか、また提供されるべきかについての意見を収集し、このケアを提供する際の障壁や促進要因を探ることを目的としていました。

1.38 この研究では、現在利用できる紹介、評価、治療の経路について、親/養育者とサービスを提供する専門家の見解も収集しました。

1.39 この研究の目的は以下のとおりです。

i.  児童、若者、若年成人が、自分たちの社会的ネットワークの文脈の中で、ジェンダー関連の違和/苦痛や不快感をどのように理解し、反応し、乗り越えているかを探ること。

ii.  親(または養育者)の見解、理解、反応と、児童へのサポート方法を調べること。

iii. 児童、若者、若年成人、およびその家族が、全国的な専門サービスへの紹介、評価、および(可能な)治療の範囲内で、現在の紹介、評価、および可能な治療と介入の選択肢をどのように経験し、対応しているかを調査すること。

iv. 最適なケアを構成するものについての共通の見解と、潜在的に異なる見解を特定することを含め、サポートを提供するケア専門家の役割と経験を理解すること。

 

著者権

Cass Review
Independent Review of Gender Identity Services for Children and Young People
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