ジェンダー医療研究会:JEGMA

ジェンダー医療研究会は、 ジェンダー肯定医療に関して、エビデンスに基づいた情報を発信します。

Genspect統計情報

Genspectは国際的、超党派、学際的な専門家および教育団体であり、性別(sex)とジェンダー(gender)に対する健全なアプローチを推進することに専念しています。Genspectのチームとメンバーは、世界中のジェンダーに非同調的な人々(gender-nonconforming)のために、エビデンスに基づいた質の高い医療を推進するよう努めています。
目標

・ジェンダーに関連した苦痛に取り組む際、最初の治療介入として最も侵襲性の低いアプローチを採用するよう臨床家に奨励すること。

・エビデンスに基づいた法律、政策、実践の基礎となる質の高い研究について広く知らせること。

・ジェンダーに関連した苦痛およびジェンダーに基づく固定観念の社会的、文化的、および医学的意味の理解を促進し、伝達をすること。ーーAboutより抜粋

アナボリックステロイド(合成テストステロン)の長期使用は、脳の老化と認知処理の低下に関連している

ある研究では、アナボリックステロイド(anabolic-androgenic steroids:AAS)の長期使用は、特定の部位で脳の老化を促進し、認知機能に異常をきたす可能性が示唆されている。 Bjørnebekkらによる2021年の研究[1]は、アナボリックステロイドの長期使用が…

女性に対する肉体の強さに関する優位性は、男性から女性への移行者(トランス女性)においても保持されている

24の研究のシステマティックレビューによると、男性から女性への移行者(トランス女性)は、筋肉量が多少減少するものの、トランス女性の筋力と筋肉面積の値は、36ヶ月のホルモン療法後も、生物学的女性の値を上回っていると結論付けている。[1,2] 上のグラフ…

自殺の原因がひとつであることは稀である。自殺に関する統計研究では、ジェンダー違和(性別違和)を他の要因から切り離すことは難しい。

スウェーデンの研究[1]は、「自殺のリスクに関して、1つの要因(ジェンダー違和)と他の要因(精神的健康状態)を区別することは難しい」と指摘している。 2019年の研究[2]では、「ジェンダー違和のために病院に紹介された思春期の若者は、病院に紹介されて…

摂食パターンの乱れとジェンダーに関係した苦痛との間には関連があると思われる

20件の研究論文を対象とした調査論文 [1]では、一貫したテーマが浮上:トランスジェンダーの若者(8歳から25歳)は、思春期の始まりや進行を防ぐために、食事制限や代償的な摂食行動をとっていた。 この研究論文では、一部のトランスジェンダーの若者にと…

トランスジェンダーを自認する若者は、不釣り合いなほどに摂食障害に苦しむ傾向がある

20の論文のレビュー[1]では、トランスジェンダーの青少年(8歳から25歳)において摂食障害症状の割合が有意に高いことが報告されている。 別の研究[2]はこの関連性を裏付けており、データは少ないものの、「ジェンダー違和(性別違和)またはトランスジェン…

強迫性障害の特徴は、ジェンダー違和(性別違和)のある人によく見られる

少なくとも2つの研究[1, 2]で、自閉症スペクトラム障害に関連する強い興味や反復行動と、ジェンダー違和(性別違和)との間に特別な関係があることが判明している。 また、次のようにも指摘されている[3]: ジェンダー・アイデンティティやジェンダー不合(g…

英国最大のジェンダー・クリニックに紹介された子ども達は、自閉症的特徴を呈する可能性が平均より遥かに高かった

ある研究[1]は次のように指摘している: GIDS(イギリスのジェンダー・アイデンティティ発達サービス)を受診し、その親が児童・青少年における自閉的行動の定量的尺度である対人応答性尺度(the social responsiveness scale:SRS)を記入した児童・青少…

ジェンダー違和者(性別違和者:gender dysphoric people)よりも、精神疾患、そして時には神経多様な状態のある人(発達障害を含む)の方が、自殺で亡くなる可能性が高い

スウェーデンの研究 [1]によると、人格障害、統合失調症、薬物中毒、双極性障害、(男性では)うつ病、自閉症の自殺率はすべて、ジェンダー違和者(性別違和者)の自殺率よりも高かった: このような統合失調症の自殺率の高さは、統合失調症患者の生涯自殺…

100人の脱トランス者を対象とした査読付きの研究では、76%が脱トランスしたことを臨床医に伝えていなかった

大多数 (55%) は、移行を開始する前に医師やメンタルヘルスの専門家から適切な評価を受けなかったと感じている。[1]38% は、自分のジェンダー違和(性別違和)の原因はトラウマや虐待、精神的健康状態などの特定の何かによって引き起こされたと信じていた…

ジェンダー違和(性別違和)の児童に関して、医療的移行が自殺傾向を減少させるというエビデンスはほとんど無い

二次性徴抑制剤(思春期ブロッカー)が自殺予防に必要であると主張するエビデンスはほとんど無い[1]。 ある研究によると、性別再割り当て手術(sex reassignment surgery:SRS:性別適合手術)後、成人のトランスセクシャルの患者は自殺未遂を起こす可能…

医療的移行は、男性にも女性にも不妊のリスクをもたらす

ある広汎な研究[1]では、ジェンダーに関連した薬剤投与が患者を不妊症のリスクにさらすことが明らかになった。 小児のトランスジェンダー患者において、ゴナドトロピン放出ホルモンアゴニストアナログ(GnRHa)による思春期の抑制は、生殖細胞の成熟を一…

ある研究では、二次性徴抑制剤(思春期ブロッカー)がジェンダー違和(性別違和)を持つ子ども達の悲観的な考えを緩和しなかったと分かった

イギリスの研究[1]によると、重度かつ持続的なジェンダー違和を有する12~15歳の子どもの治療に用いられる二次性徴抑制剤(思春期ブロッカー)は、彼らの心理学的機能、自傷思考、身体イメージに有意な影響を及ぼさなかった。 しかし、予想通り、子供たち…

二次性徴抑制剤(思春期ブロッカー)や異性化ホルモンは、かなりの症例で骨の健康に悪影響を及ぼす

二次性徴抑制剤(思春期ブロッカー)と骨密度に関する長期的なエビデンスはほとんどない。 しかしながら、ジェンダーアイデンティティに関する長期間にわたる二次性徴抑制事例の極少数では、骨密度スコアが「年齢の割に低い」と認定されている[1]。骨密度…

二次性徴抑制剤(思春期ブロッカー)は「一時停止ボタン」以上のものである:使用した子どものおよそ98%が異性化ホルモンを服用

2021年に英国で行われた研究[1]では、二次性徴抑制剤(思春期ブロッカー)を投与された44人の子どものうち、異性化ホルモンの服用へと進まなかったのは1人だけだった。 同様に、オランダの研究[2]は、二次性徴抑制療法を開始した若者のうち、この治療を…

医療的移行が良い結果をもたらすというエビデンスは限定的なものである

多くの異なる研究が、ジェンダー移行に関する質の高いエビデンスが不足していると指摘している。 オーストラリアの論文[1]では、ジェンダー再割り当てに関して肯定的な結果を示す利用可能な証拠のほとんどが、質が低いと述べている。 ドイツの研究 [2]で…