ジェンダー医療研究会:JEGMA

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思春期前にジェンダー移行(性別移行:Gender Transitioning)?

F-1-001

原文
Steensma, T. D., & Cohen-Kettenis, P. T. (2011).
Gender Transitioning before Puberty?
Archives of Sexual Behavior, 40(4), 649–650.
https://doi.org/10.1007/s10508-011-9752-2

抄録

無し

SEGMによる解説

この2011年の論文で、オランダの研究者たちは、児童の社会的移行(social transition )の割合が着実に増加していることを認めた。2000年以前は、ジェンダーサービス(gender services)に紹介された思春期前の児童のうち、親によってすでに社会的移行がなされていたのは2%未満であった。2009年までに、この数字は完全な社会的移行で9%、部分的な社会的移行(身体的表現の変化はあるが代名詞の変化なし)で33%に上昇した。

オランダの研究者たちは、早期の社会的移行の実践は、ジェンダー違和(性別違和:gender-dysphoric )の児童の大多数(85%)がトランスジェンダーを自認する大人に成長しないという観察と矛盾していることに懸念を表明した。彼らは、若い患者の中には、自分がもはやトランスジェンダーでないと自覚した後、元の性役割(their original sex role)に戻ることに困難である者もいると指摘している。著者らは、早すぎる社会的移行がもたらす心理的リスクは、その利点を上回る可能性があるとしている。