素晴らしき新世界
多くのWPATHメンバーは、自分たちが新しい医療フロンティアの先駆者であると考えています。イギリスの精神科医は、サターホワイトが「ノンスタンダード(非標準的)」という用語を使うことに異議を唱え、そのような介入は「将来、スタンダード(標準的)になるかもしれない」と示唆した。
あるカリフォルニアの医師は、10代の少女が後年、健康な乳房を切断したことを後悔したら、「また作ればいい」と皮肉ったことでかつて有名になりました(215))が、彼女はジェンダー医療の分野は、まもなく「若い人たちによって刷新される」だろうと答え、また自分はそれを歓迎する、といいました。彼女は医学的および外科的介入を「曖昧な定義の『ジェンダー違和』への対処」ではなく、個々人の「ジェンダーの具現化(embodiment of gender)」として再定義するよう求めました。
アイデンティティ進化ワークショップでは、バーグは、医学的意思決定の指針として、子どもに対する具現化目標についてさえ議論の俎上に載せました。「確かに私も、具現化という概念を、思春期の若者や子供たちと話すときに使っていますね」と、この著名なWPATHの専門家は述べています。
ノンバイナリー手術という奇異な性質にもかかわらず、ファイルには、保険会社がこれらの実験的な身体改造手術を保険でカバーしているという証拠が含まれています。これは、サターホワイトが、サンフランシスコの彼のクリニックでは、常に患者は保険でカバーされているとグループに語っていることからも明らかです。オレゴン健康科学大学のダニエル・ドゥージ博士も、保険の適用を受けるのに問題はないといっています。
カナダのオンタリオ州では、ノンバイナリーの個人が、州の納税者の負担で第二の偽の性器を外科的に作成する権利を勝ち取ったケースが2件あります。こういった判断が、このような手術を州の健康保険でカバーされる道を開くことになるでしょう(216,217)。Ks v Ontarioの裁判では、WPATHのSOC8のノンバイナリーの章が広く引用されており、オンタリオ州健康保険省高等審議所(Ontario Health Services Appeal and Review Board)は、その裁定でWPATHの論理と用語を採用しました。ジェンダーの多様なあり方は「個別にカスタマイズされた外科的要求」に繋がる可能性があり、それは州の健康計画でカバーされるべきであると述べています(218)。
極端な肉体改造の目標を実現することは、少なくとも短期的には、その人にとって非常に満足のいくことかもしれませんが、政府や保険会社は、これを医薬品や必須の医療と混同してはなりません。ノンバイナリー手術は、WPATHが科学と医学を完全に放棄し、無制限の消費主義を追求していることを示しています。
バージニア州のカウンセラーは、「ノンバイナリー肯定手術を求める波」がこれからやってくるだろうと予測しました。彼はグループに対して、「非定型的な外科的処置(その多くは自然界には存在しないし、この種のものとしては世界初)」を求める「ノンバイナリー、アジェンダー(無性)、ユーナック(Eunach:去勢された男性)を自認する複数のクライアント」を扱ったことがあると話しました。
おそらく、WPATHが医療組織としての道を失ったことを示す最良の兆候は、ユーナック(去勢された男性)を自認する人々のジェンダーを肯定するケアに特化した章をSOC8に含めるというグループの決定です。世界をリードするトランスジェンダーの健康団体WPATHは、用語集の中で、ユーナックと自認する男性を「出生時に男性に割り当てられ」たが「本当の自分はユーナックという言葉で最もよく表現される」と感じている個人と定義しています。また「ユーナックを自認する人は、一般的に生殖器官を外科的に切除するか、機能しなくすることを望む」とも書いてあります。
ユーナックの章には、子どもがユーナック自認である可能性があるという主張が含まれているだけでなく、去勢フェチを持つ匿名の男性が集まり、子どもの去勢の空想を共有するユーナック・アーカイブのウェブサイトへのハイパーリンクもあります(219)。2023年4月、TikTokで、WPATHに所属する人気のジェンダー外科医が、25万人以上の若者のフォロワーに向けて、ユーナック自認の人々向けのジェンダー肯定医療を宣伝しました(220)。
モントリオールで開催されたWPATHの2022年国際シンポジウムで、SOC8のユーナックの章の共著者は、彼が初めて診察した「ユーナック自認の」患者について話しました。 彼は実家の地下室に住んでいる19歳の男性で、「自閉症のアスペルガースペクトラムだった可能性があり」、思春期前の状態に戻りたいと願っていたそうです(221)。青年ははっきりとユーナックを自認はしていませんでした。WPATHの専門家が、彼にそのラベルを貼りました。「自分のレーダーに引っかかったから、そう推測したんだ」と医師は聴衆に説明しました。言い換えれば、WPATHの専門家は、この患者を深い心理療法的支援を必要とする問題を抱えた個人と見なす代わりに、ジェンダー肯定医療の外科的去勢を必要とするユーナック自認の人物とレッテルを貼ったのです。このような重篤な精神障害を、化学的・外科的去勢によって肯定・解決されるべき「アイデンティティ」として捉え直すことは、医療倫理に対する重大な違反であり、WPATHが患者の健康と幸福を優先事項としていないことを明確に示しています。
ユーナックのセッションは普通の部屋ではなく、会場の大広間で大々的に行われたのですが、その最後に、サターホワイト医師と、SOC8のユーナックの章の筆頭著者であるトマス・W・ジョンソン博士、およびその共著者であるマイケル・アーウィグ博士は、興味深い会話を交わしました。サターホワイトはマイクを握り、去勢を希望するゲイの男性を扱った初期のケースにおいて、自分が感じた精神的な不安の克服を、いかにしてジョンソンが助けてくれたかを語りました。彼はジョンソンに、この種の手術を行うよう「より多くの外科医を参加させる」にはどうすればよいかアドバイスを求め、会議の出席者から「ノンスタンダード(非標準的)」な性器手術を行うという彼の意欲に対して、さまざまな反応があったと説明した。
ジョンソンは、サターホワイトが「新しいアイデアにオープンである」と称賛した後、「SOCに(ユーナックの)章を設けたことで可能性が開かれる」と述べ、外科医がそれを見て「うん、これは検討してみる価値がある」と言ってくれることを望んでいると述べました。 アーウィグもこれに同意し、ユーナックがSOCに含まれたのは「非常に大きい」と述べました。なぜなら、これからは医師たちは心理的に問題を抱えた男性を去勢したことで、医師免許を失うことを恐れる必要がなくなったからだ、と。
「このようなセッションをより多く開催すればするほど、より多くの人が薫陶を受け、あなたと同じ立場にある人々がこのような医療に参加できるようになるでしょう」とアーウィグはサターホワイトに言いました。
215) “[Physician] Explains Why Mastectomies for Healthy Teen Girls Is No Big Deal.” Youtube, 2019, https://www.youtube.com/watch?v=5Y6espcXPJk.
216) “Ks V Ontario (Health Insurance Plan).” CanLII, 2023, https://www.canlii.org/en/on/onhsarb/doc/2023/2023canlii82181/2023canlii82181.html?searchUrlHash=AAAAAQANdmFnaW5vcGxhc3R5IAAAAAAB&resultIndex=1.
217) “Ohip Reverses Course, Will Fund Gender-Affirming Surgery for Ottawa Public Servant.” The Globe and Mail, 2023, https://www.theglobeandmail.com/canada/article-ohip-gender-affirming-surgery-case/#:~:text=OHIP%20has%20reversed%20its%20stance,procedure%20for%20nearly%20a%20year.
218) Ibid (n.216)
219) Gluck, G. (2022). Top Trans Medical Association Collaborated With Castration, Child Abuse Fetishists. Reduxx. https://reduxx.info/top-trans-medical-association-collaborated-with-castration-child-abuse-fetishists/
220) GenderSurgeon (2023). #testicleremoval #orchiectomy #eunuch. https://www.tiktok.com/@gendersurgeon/video/7218932161934822702 “Of Eunuchs and Wannabes.” Year Zero, 2022, https://wesleyyang.substack.com/p/of-eunuchs-and-wannabes.
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