ジェンダー医療研究会:JEGMA

ジェンダー医療研究会は、 ジェンダー肯定医療に関して、エビデンスに基づいた情報を発信します。

WPATHファイル:結論 - p.70~


結論:
CONCLUSION
 

このレポートが示すように、WPATHは医療組織ではありません。WPATHは、ジェンダー関連の苦痛に苦しむ脆弱な個人を助けるための最良の方法を見つけるための科学的探求に従事していません。WPATHは、医療グループを装った活動家の臨床医や研究者の過激派です。そして、無謀なホルモン実験と外科的実験を、社会の最も弱い立場にある人々に対して行うことを提唱しています。

 外科医が四肢麻痺と自認した人の脊髄を切断したり、盲目と自認した目の見える患者を失明させたりすることは犯罪です。健康な生殖器系を破壊し、精神的に不調な人の健康な乳房や性器を切断することは、同様に非倫理的です。第一歩としてその人が精神疾患を克服するのを手伝おうとすることすらせず、過酷な術後の期間に現実的に準備したり、手術が長期的な健康や親密な関係を形成する能力に生涯にわたる悪影響を警告したりすることなく、そうすることは第一級の医療過誤・過失に相当します。

 したがって、私たちは現在、現代医学の歴史上で最大級の犯罪を目撃していることは間違いありません。WPATHの肯定医療事件は、私たちの事例研究で概説した過去の4つの医学的不幸のすべての要素を組み合わせたものです。

 医師の自己規制を信頼することはできません。彼らもまた人間であり、私たちと同じように固有の偏見と脆弱性を持っています。集団思考が定着し、反対意見が沈黙させられている場合に、特に間違いを冒しやすいのです。 医師が自分の評判を特定の治療法に賭けると、強力な利益相反や確証バイアスにつながる可能性があります。最も善意で有能な医師でさえ、患者に与えられている明らかな害に目を瞑ります。ニューヨーク・タイムズ紙に掲載されたバウワーズ医師の主張によると、トランスジェンダー医療の分野は「他の医療分野と同様に、あらゆる点で客観的かつ結果が重視されている」と言います。この発言は、医療にあたってWPATHが非倫理的な手法をとっていることに対して、組織の指導者がいかに盲目であるかを示しています。

 医学界には倫理基準を維持するための規制機関があります。私たちは、米国およびその他の地域の医療倫理委員会に、WPATHが承認する性的特性変更医療に対して、緊急の、偏りのない、透明で厳格なレビューを実施するよう強く求めます。私たちはまた、米国精神医学会、米国医師会、米国小児科学会および内分泌学会に対して、政治を脇に置いて、WPATHの疑似科学的で非倫理的な医療行為を禁止するよう求めます。

 さらに、私たちは米国政府に対し、医療倫理と科学的過程をこれほど軽視する組織が、医療分野における世界ケア基準を確立する権限をどのようにして与えられたのかについて、公式の超党派調査を開始するよう求めます。私たちは、WPATHが持つ不当な威信、不当な影響力、およびその結果としての危険を鑑みて、この思い切った行動を提唱します。

 WPATHは何の益も成さず、ジェンダー医学の分野に何の有益な貢献もせず、医療やメンタルヘルスの専門家を迷わせました。ヨーロッパのいくつかの国はすでにWPATHの指針を放棄しており、WPATHが時代遅れになっていることを示しています。

 政治活動と医療は決して混ざり合うべきではありません。政治的な目標を追求する組織は、患者の健康を追求する組織ではあり得ません。WPATHファイルには、この組織が科学的なグループではなく、活動家グループであることを示す豊富な証拠が含まれています。アルバータ州の教授が、トランス医療はシスジェンダー正常主義に挑戦するものだと述べ、サターホワイト医師と彼の支持者は、ノンバイナリー手術の倫理的懸念を無視し、政治的に正しい言葉を使うことだけに注意を払っています。これらのことから、WPATHが科学よりも政治を優先していることは明らかです。

 医学界は、開かれた議論、科学的な議論、そして熱心な調査によって自己修正します。これらの要素はいずれもWPATHの記録の内には存在しません。在るのは政治的な言説と言語狩りだけです。ある臨床医が脱トランスに関する研究を投稿したところ、WPATHの会長は、「脱トランスがほんの少しでも存在することを認めることは、私たちのコミュニティの多くの人にとって禁止事項だと考えてください」と警告しています。ジェンダー医学の複雑さ、治療法をめぐる論争、そしてWPATHが承認したホルモン療法と外科的介入の人生を激変させる効果を考えると、オンタリオ州の家庭医が声を上げたのが、すべての記録の中で唯一の反対意見だったとは憂慮すべきことです。

 その治療が引き起こしている壊滅的な害を直視できない医療組織は、その医療組織が奉仕していると主張する患者にとって危険です。この医療スキャンダルの犠牲者の存在を認めたがらないこと、ジェンダー肯定医療の危険性が想定される利益をはるかに上回ることを示す証拠が増えていることを認めないこと、そして、そのメンバーの多くが極端な信念を持っていることは、WPATHがその軌道を正すことは決してできないことを示しています。WPATH内部のコミュニケーションは、組織がその核心まで腐敗していることを示しています。

 現在、立法者、裁判官、保険会社、公衆衛生提供者は、医療の「信頼の連鎖」が壊れた結果、WPATHのガイドラインを信頼するように言いくるめられています。これらの利害関係者は、WPATH内の政治活動家が、未成年者や重度の精神障害者であっても、極端な肉体改造に対する無謀で消費者主導の受注式ジェンダー移行方法を推進していることに気づいていません。ですから、医学界はWPATHの指針を拒否しなくてはいけないのです。

 ジェンダー違和は複雑な精神疾患であり、苦しんでいる人々の痛みを和らげる最善の方法について簡単な答えはありません。そのような解決策を見つけようとする試みは、このレポートの範囲を超えています。しかし、世界トランスジェンダー・ヘルス専門家協会WPATHは、この脆弱な患者コホートに可能な限りの最善の医療を提唱していないと断言できます。そして、過去20年のWPATHの行動の有害な影響から、この組織に引導を渡すべきなのは明らかです。今こそ、患者の健康と福祉を第一に考えるジェンダー医療の新時代を切り開くべき時なのです。

《解説部・終了》

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著作権 Environmental Progress

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