2024年3月29日に自由民主党本部で開催された「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」において、当団体の共同代表が、ジェンダー肯定医療をめぐる国内外の情勢について報告いたしました。WPATHファイルの情報も含んだ、有意義な報告になったと考えております。
以下に当日使用した資料の内容をお示しします。
最後に、発表資料のPDFもあります。
p.1 ジェンダー肯定医療をめぐる国内外の情勢について
p.2 ジェンダー医療研究会(JEGMA)とは
国内外のジェンダー医療の現状に危機感を感じているメンバーで結成。
複数の医師や翻訳家を含む有志で構成。
当会は海外医療論文の翻訳を行うことで、ジェンダー違和(性別違和:gender dysphoria)を持つ主に未成年者に対する、安全で、思いやりがあり、倫理的で、エビデンスに基づいた医療の推進を目指しています。
p.3 ⚠️ジェンダー ≠ 性別⚠️
英語には「性別」に関してsex(肉体の性別、生物学的性別)とgender(ジェンダー:社会的性別または精神的な性別)の2つがあり、これを区別する事が非常に重要です。
日本語にはこれらを区別する言葉が無いため、当会ではgenderの訳語を「ジェンダー」として可能な限り厳密に翻訳しています。
※「ジェンダー」は使用者によりさまざまな概念を放り込めるブラックボックスと化している
p.4 ジェンダー肯定医療とは
p.5 実際の手術の例
p.6 現在、欧米では後悔する子どもが続出!
資料1:ジェンダー医療を巡る海外の状況
p.7 イギリス🇬🇧
🔗The Cass Review(ジェンダー医療に関する独立調査チーム)
p.8 アメリカ🇺🇸
p.9 The trans train(トランス列車)
2019年に放送されたドキュメンタリー番組。
スウェーデンのジェンダー医療政策を変えるきっかけとなった。
🔗トランス列車の動画(日本語字幕付き)
※part1~4まである。
p.10
IQ低下、骨粗しょう症、脳や心臓への影響。
成人の化学的去勢に使われるのと同じ薬、同じ用量、同じ副作用。
p.11 2022年に発表されたスウェーデンのガイドライン
2022年に発表されたスウェーデンのガイドラインでは、「未成年者に対する思春期ブロッカーや性ホルモンの投与は、利益よりも害の方が大きい」と判断され、大幅にその使用が制限された。
🔗スウェーデンのガイドライン
p.12 アメリカの訴訟例①
🔗アメリカの訴訟例①
p.13 アメリカの訴訟例②
🔗アメリカの訴訟例②
p.14 23歳の自閉症の青年が術後に死亡
p.15
- 一番つらいのは、孤独感とパートナーが見つからないことです。普通の性生活が送れない。
- 私はただ友情と愛が欲しかった。もっと楽に生きたかった。
- 私は15歳のときから女性になりたかった。今持ってるような知識があればよかったのに。
- 全てをもっと違うようにできれば良かったけれど、今となってはもう手遅れだ。私は本当にめちゃくちゃになってしまった。
- 私の最後の願いは、カリフォルニア州とニューヨーク州が、この怪物どもを切除し、刑事告発することだが、彼らはそうしない、なぜなら私のような人間のことはどうでもいいから。
- 自分の体を決してなり得ない誰かに変えてしまうという偽りの約束の犠牲者が増えることだろう。
- トランスジェンダー・イデオロギーとその嘘は、ゲイを支持するメディア、医学界、精神医学界とともに、私を殺した。
🔗SRS後に23歳で死亡した青年の投稿
p.16 2024年2月のニューヨークタイムズの記事
p.17
- ジェンダークリニックでは「子どもをトランスさせないと自殺してしまう」と脅される。
- しかしトランスする事が自殺を予防するという良質なエビデンスは存在しない。
- 女性が恋愛対象だったが、親から拒絶され「同性愛者は嫌だ」という気持ちからトランスしたものの、後悔して脱トランスした少女。
- 思春期の子供たちは、仲間や社会的状況との関係において特に影響されやすく順応性がある。
- 不妊を含むその影響や副作用は、多くの場合に不可逆的である。
- トランス活動家たちは、新しいタイプのジェンダー違和(ROGD)が現実に存在するという証拠があるにもかかわらず、その議論を封じ込めるために熱心に闘争してきた。
🔗2024年2月2日のニューヨークタイムズの記事
p.18 実際にアメリカで行われていた医療の例
p.19
私がケースマネージャーとしてクリニックに勤務し、患者の受け入れと管理を担当した4年間で、約1000人の悩める若者たちがクリニックの門を叩きました。
そのほとんどが、不妊症など人生を左右する可能性のあるホルモンの処方を受けていました。
私はアメリカの医療制度が患者を治療する約束「害を与えない」とは正反対であることを確信しました。
それどころか、私たちのケアを受ける弱い立場の患者に永久に害を及ぼしているのです。
トランスジェンダー・センターに到着して間もなく、私は治療に関する正式なプロトコルがないことに驚かされました。
センターの共同ディレクターである医師が、基本的に唯一の権威者だったのです。
p.20
患者さんとの出会いの中で、若い人たちは、性別を変えることが自分の身体と心に大きな影響を与えることを、ほとんど理解していないことがよくわかりました。
しかし、同センターは、その悪影響を軽視し、移行することの必要性を強調しました。
同センターのホームページには、「ジェンダー違和(性別違和)を治療せずに放置すると、自傷行為から自殺まで、さまざまな結果を招きます」とあります。
しかし、子供がありのままの自分でいられるようにすることで、やがてジェンダー違和(性別違和)がなくなることに私たちは気づいています。
p.21
トランスジェンダー・センターで一緒に働いていた医師たちは、患者の治療についてよくこう言っていました。
「私たちは飛行機を作りながら、それを操縦している」
そのような飛行機に、子どもを乗せてはいけないのです。
🔗アメリカの医療者による告発
p.22 WPATHファイル
資料5 WPATHファイル
・WPATHファイルの公開サイト
・プレスリリース
・よくある質問
・エグゼクティブ・サマリー
・パワーポイント
・WPATHファイル・本文抜粋
・WPATHメンバーについて
・WPATHファイル暴露以前から 医師や学者は警告していた
p.23 大手メディアもWPATHについて批判的に報道
🔗Newsweekによる批判記事
🔗The Timesによる批判記事
p.24 WPATHファイルの暴露を受けたイギリスの動き
🔗イギリスの法案:https://bills.parliament.uk/bills/3560
p.25 2024年1月15日のWHOの発表
実はWHOでも現在、ジェンダー医療に関するガイドラインを作ろうとしているが、それに関する発表の中にこのような記載。
ガイドラインの対象は成人だけであると。子どもを対象としない理由は、未成年へのジェンダー医療に関するエビデンスが不足しているからだと。
つまりWHOも未成年に思春期ブロッカーを与えたり、性ホルモンを与えることは、実験的な治療であると認識している。
🔗WHOのガイドラインに関するFAQ
p.26 WHOのガイドライン作成メンバーの大きな偏り
このWHOのガイドラインについてもかなり懸念の声があり、ガイドラインの作成メンバーに大きな偏りがあると指摘されている。メンバー20人中、医療者は8人のみ。残りはほぼ活動家と人権派弁護士。そして彼らはもっと医療を受けるハードルを下げるべきだと主張している。子どもに対しても。
更には8人の医師のうち3人は、今、大問題になっているWPATH系の医師。メンバーの中にはジェンダー医療について慎重な立場を表明している医師がおらず、安易な医療介入を勧めるよなガイドラインになってしまうのではないかと心配されている。
🔗WHOのガイドライン作成メンバーについて
p.27 日本の現状
- 従来はGID学会(性同一性障害学会)が中心になって、日本精神神経学会が作成したガイドライン(性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン)を参考にして診断治療していた。
- 2024年3月にGID学会(性同一性障害学会)から日本GI学会(日本性別不合学会)に名称変更する予定であることを発表。
- 性同一性障害(強い身体違和を感じて治療を希望する人)のみならず、身体違和の乏しいトランスジェンダーをより広く包括。
- 以前から手術無しでの戸籍性別の変更を可能にすべきなど、性別変更のハードルを下げるべきだと主張していた。
- WPATHの主張にならい、トランスジェンダーの「脱病理化」を主張。
p.28 2023年10月のNHKの番組
GID学会の中塚幹也理事長が、未成年者に対する思春期ブロッカーや性ホルモンの使用を解説。
🔗GID学会理事長の中塚医師のNHKでの解説
p.29 2024年3月4日の週刊 医学界新聞の記事
🔗GID学会理事長の中塚医師の2024/3/4の記事
p.30 日本のガイドラインはWPATHのガイドライ(SOC7)を参考にしている
🔗WPATHのガイドライン(SOC)
・第7版(SOC7)
・第8版(SOC8)
https://www.tandfonline.com/doi/pdf/10.1080/26895269.2022.2100644
・日本のGID学会の医師らが訳したSOC7
https://www.wpath.org/media/cms/Documents/SOCv7/SOCV7_Japanese.pdf
31. 日本における思春期ブロッカーの使用状況
岡山大学病院のデータ。
使用が承認されたのは79例。
近年(この3年ほど)急増中。
79例中、2022年だけで26例。
性別の内訳は、FtM 56例、MtF 18例、 性比は約3:1。
思春期の女子がトランス男性を自認する例が圧倒的に多い。これは海外と全く同じ傾向。
p.32 思春期ブロッカーの使用を提言したのは康純医師
2015年10月の記事『性同一性障害の診断と治療方法』より
- 日本に7人いるWPATHに所属する医師のうちの1人。
- 大阪医科大学の元准教授。現在は大阪医科薬科大学の非常勤。そんメンタルクリニックでジェンダー専門外来を担当。
- HBIGDA(後のWPATH)の元会長であるリチャード・グリーン(Richard Green)医師の意見を参考にして、日本にも思春期抑制療法を導入することを提言。
- 思春期ブロッカーは副作用がなく、完全な可逆的治療といわれているとし、この治療法をガイドラインにのせるよう提案した。
- 15歳頃を目処にホルモン治療ができるようにガイドラインの緩和を提案し、それが認められた。
🔗GID学会とWPATHに所属する 康純医師が執筆した記事
p.33 日本の脱トランス事例
これは成人の例だが、これが子どもや思春期の若者などであれば、更にメディアやSNS、学校教育などから影響を受けるだろうことは想像に難く無い。
🔗日本の脱トランス事例
p.34 政府に要望すること
- 欧米の後追いをすることなく、子どもたちや精神疾患を抱えた人たちに医療が大きな害を与えるような事態を回避してほしい。
- 学校教育で『性自認(ジェンダーアイデンティティ)』の概念を幼い子どもたちに教えることは、性の混乱を招き、不必要な医療へと誘導しかねない。
- 子ども、そして大人に対するものも含めて、現在のジェンダー医療のあり方が適切かを見直してほしい。
- 適切な規制(ジェンダー医療に関わる医師の厳格な資格制度、WPATHに依らない厳格な診断と治療の基準を設ける、思春期ブロッカーに対する法的な規制)
発表資料PDF
https://note.com/api/v2/attachments/download/aac5a3297a848551087bb19f663deee2
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2024年3月29日の「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」の会合で発表した内容を動画で再現したので公開します。
時間が10分と限られていたため、かなり端折りましたが、要点は押さえられたと思います。
— ジェンダー医療研究会(JEGMA) (@JEGMA2024) 2024年4月1日
こちらは1人でリハーサルした時の動画を加工したものです。 pic.twitter.com/qzLlgQ7ABV